便秘外来 Q&A

Q1、市販の下剤を飲んでいたが、処方された薬だけでは排便がないので併用してもよいか。

A、併用して大丈夫です。下剤を使用している方は、今まで下剤の刺激に慣れていたために、急にやめてしまうと初めは出ないことがあります。ですので、2日に1回、3日に1回・・・というように徐々に回数や量を減らすことを目標にして下さい。下剤を使用していても、乳酸菌の薬によって少しずつ善玉菌が育ってきます。時間はかかるかもしれませんが、あきらめずに内服を続けていただきたいです。

 

Q2、受診して1ヶ月くらい経つがお腹が張って辛い、ガスも多くなった。

A、治療初期(1~3ヶ月くらい)は、腸内の古い宿便がどんどん排出され、善玉菌が少しずつ育ってくる時期です。この菌の入れ替えの時期は、悪玉菌が発生させるガスによってお腹が張ることがあります。治療の一過程ですので辛抱していただきたいところですが、どうしても辛い場合は、1回お薬を抜くなどして様子をみるようにお願いします。

 

Q3、酸化マグネシウムを飲んでいるが、ゆるくて困っている。

A、酸化マグネシウムは、腸内の水分を便に含ませて軟らかくする作用があります。形が残るような軟らかい便になれば1番良いのですが、その方の体質によって処方量では多い時があります。もし下痢状や、日常生活に困るくらい緩い場合は、1日3回の処方を2回に減らすなどして調整をお願い致します。ただ、よく言われる「バナナ状の便」を無理に目指す必要はありませんので、安心してください。

 

Q4、受診して1ヶ月、便は柔らかいが少量しか排便がないので薬が効いていないのではないか。沢山食事を摂った方がよいか。

A、治療開始したばかりの頃は、宿便が排出されるので便が多いように感じる方が多いのですが、その後は腸内が綺麗になってきているため、はじめに比べると便の量は減っていく傾向にあります。また、腸内環境は生活環境によってすぐに変化しますので、毎日多い排便をしなければいけないという事はありません。食事に関しては、腸内環境が整ってきたら、(目安として治療3ヶ月目くらい)不溶性食物繊維が多く含まれる食品を少しずつ摂るようにすると、便の量が増えていきます。診察の際にもこれらは説明がございます。また、極端に食事量が少ない・多い・動物性食品の摂りすぎなどは腸内環境に悪影響ですので、バランスの良い食生活を心がけるようにして下さい。

 

Q5、妊娠したが、薬は続けても大丈夫か。

A、便秘外来の患者様で酸化マグネシウムとビオスリー、ビオフェルミンなどの整腸剤をお飲みの方は継続していただいても問題ありません。しかし、それ以外のお薬をお飲みの方は一旦中止していただく場合がございますので医師に確認が必要です。遠慮なくお問い合わせください。

 

Q6、ファイバープロ(水溶性食物繊維)は1日どれくらい飲めばいいのか。いつまで飲めばいいのか。

A、ファイバープロは1日1包(6g)~2包お飲み頂くことをおすすめしています。飲むタイミングはいつでも構いませんが、夜であれば食前に摂って頂くとよいです。

食物繊維には腸のはたらきを助け、便通を良くするばかりではなく、コレステロール上昇抑制、血糖値上昇抑制、肥満防止、動脈硬化防止などの効果が報告されていますので、便秘が改善されても一生お飲み頂きたいサプリメントになります。

 

Q7、いつまで通院すればいいのか。便秘は治るか。

A、腸内環境が安定してくるのに最低でも半年から1年はかかります。また、下剤を飲んでいる方、腸が長い方などは更に長期間に渡り治療を行います。当院ではなるべく少ない量でのお薬にしていけるよう、サプリメントへの切り替えや食事などの生活指導も取り入れサポートしていきます。

 

Q8、便秘のほかに浮腫みや冷えもある。関係はあるのか

A、便秘が続くと、余分なミネラルや老廃物を体外へ排出しにくくなります。行き場のないそれらが体内に留まった結果、体が浮腫んでしまいます。また、体が浮腫むことにより、リンパの流れも悪くなり手足の冷えを感じやすくなります。

 

Q9、便秘の原因は大腸がんではないか心配

A、大腸がんが原因で便秘になる場合もあります。大腸がんの徴候として、便に血液が混ざる、便秘と下痢を延々と繰り返してしまうといったことなどが挙げられます。

当院の便秘外来では、40歳以上の方は初回に大腸の腫瘍マーカーの検査を行っています。39歳以下の方で、上記の症状に心当たりがあり、検便の検査も行っていないという方は、一度検査することをお勧めします。

 

Q10、通院して1年経つが薬の副作用はないか。漢方ものんでいるが、大丈夫か。

A、便を軟らかくするためのマグネシウム製剤は、腸そのものを弱らせることはありません。しかし、ごく稀に副作用として血液中のマグネシウム濃度が上昇する場合があります。マグネシウム濃度の高い状態が長期間続きますと、腎・心機能に負荷がかかってしまいます。当院では、副作用の確認のため、受診3回目に採血を行い、その後も半年から1年おきに検査を行っています。

漢方薬を内服している方についても、副作用で肝機能の数値が上昇する場合がありますので必ず数ヶ月おきに採血を行っています。